インテリアエディターDが、高級輸入ファブリックの取り入れ方を実際に見て・触れて・レポートする連載企画。今回は、自然の樹木や草花などをモチ-フにしたデザインが特徴の世界中に多くの根強いファンがいるイギリスのテキスタイルブランド「MORRIS&CO.(モリス アンド コー)」の魅力と、膨大なコレクションを体系的にご紹介し、インテリアにどう取り入れるかを具体的にご紹介します。
世代を超えて愛されているイギリスのブランド「ウィリアム・モリス」。名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?自然の樹木や草花などをモチ-フにしたデザインは一世紀以上を経た今日でも新鮮で、時代に合わせて進化しつづけており、世界中で人気があります。イギリスのテキスタイル・デザイナー、詩人、思想家であったウィリアム・モリスは、近代デザイン史上に大きな影響を与えた造形芸術の運動「アーツ・アンド・クラフツ運動」を主導した人物としても有名。デザインから製作まで一貫して請け負うモリス商会を設立し、壁紙やステンドグラス、家具の制作など多岐にわたる仕事を行うことでクラフトマンシップを取り戻しました。「芸術と生活を統一化する」というアーツ・アンド・クラフツの精神と「人々の生活の質を向上させる」というモリスの想いを、英国ブランド「MORRIS&Co.」が受け継ぎ、今もなお不変の美しさを届けています。サンクリドーは世田谷店・横浜店ともに取り扱いがあり、各種ご提案が可能です。
2023.1.29
vol.9_世界的人気ブランド「ウィリアム・モリス」の魅力
左/『イチゴドロボウ』のカーテンと『ケルムスコットツリー』のクッションがある窓辺の風景
右/『イチゴドロボウ』の壁紙を使ったダイニングコーナー
「ウィリアム・モリス」といえば、草花や果実や動物などの自然をテーマにしたプリント生地を真っ先に思い浮べますよね。シックな多色づかいの絵柄は思いのほか日本の住宅にも馴染むのが大きな魅力。19世紀後半に生まれた「ウィリアム・モリス」がなぜこんなにも長い間愛され続けているのでしょうか?
時代と共に進化する「ウィリアム・モリス」の4つのコレクション
「ウィリアム・モリス」には、世の中の潜在的なニーズやトレンドに合わせて色味や表現方法を再考したコレクションが4つ存在します。100年以上も前から変わらぬ柄ゆきを守る一方で、進化し続けていることも人気の理由かもしれません。
テムズ川岸に茂る柳の木から着想を得た同柄『ウイローボウ」に見る4つの世界観
深い色合いが洋室にも和の空間にも馴染む王道の「ウィリアム・モリス」
当時の色味や滲みを再現したプリントが特徴のクラシックやアーカイブと呼ばれる「ウィリアム・モリス」
19世紀後半に起こったアーツ・アンド・クラフツ運動の頃に使われていた制作方法・ブロックプリント特有の滲みなどを表現したプリントや、当時使われていたインディゴ染めなどの深みのある色合いが特徴です。ウォールナットやチーク材の建具や家具とも相性抜群。王道のモリスを楽しみたい方や、和モダンなスタイルがお好きな方にオススメです。
サンプルブックの表紙にもなっている人気柄の『イチゴドロボウ』は、インディゴ抜染に赤や黄色といった藍以外の色を取り入れた最初のテキスタイル。当時のブロックプリントの技術では色ごとに染め分ける必要があり、高度な技術を要し製作にも時間がかかる高価なものでした。
人気柄『ケルムスコットツリー』のカーテンで仕切られたインテリア
ニュートラルな色味で北欧スタイルのインテリアに合う「PURE MORRIS」ピュアモリス)」
2016年に発表された 「ピュアモリス」 レースや刺繍など奥行きのある表現が特徴
もしモリスが現代に生きていたとしたら、ニュートラルでミニマムなスタイルの表現をするのではないか?という解釈から生まれたシリーズになります。色味はベージュやグレーなどのニュートラルカラー。レースや刺繍やプリント等様々な表現方法でモリス商会のデザインを再解釈しています。北欧スタイルのインテリアがお好きな方にオススメです。
美しいレースや刺繍で表現されたモリスの柄で窓辺を彩る贅沢
モリスの柄を使いながらもシックな空間に仕立てたい方にオススメ
鮮やかな色合いが空間を明るく演出する「SIMPLY MORRIS(シンプリーモリス)」
“フレッシュ マキシマリズム” がキーワードの「シンプリーモリス」は鮮やかな色合いが特徴
クラシックとピュアの中間になるカラーリング「シンプリーモリス」。生き生きとした遊び心のある色合いで、 軽やかなインテリアを演出してくれます。モダンなタワーマンションや子ども部屋にもオススメのシリーズです。
ヘッドボードの『Strawberry Thief』に見るパウダリーで甘すぎない軽やかさが魅力
英国王室御用達の建築家による新解釈で個性際立つ「Ben Pentreath(ベン・ペントリース)」
英国御用達の建築家による色彩の見直しによってコンテンポラリーな印象の「ベン・ペントリース」
ウィリアム・モリスの世界観そのままに、 フレッシュなカラーリングが特徴の秋冬コレクションと、ビタミンカラーが特徴の春夏コレクションがあります。他の人とは被りたくないインテリアを、モリスの柄ゆきで作りこみたい方にオススメのシリーズです。
木質のインテリアをほっこりさせない柄が際立つ彩度の高さが魅力
「ウィリアム・モリス」をインテリアに取り入れるコツ
憧れはあるけれど、どうやって自宅のインテリアに「ウィリアム・モリス」を取り入れたらいいのかわからない。空間の中で浮いてしまうのではないだろうか?など、なかなか一歩目を踏み出せないでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
はじめの1歩には、クッションがオススメ!
1つ置くだけでも空間のポイントになる柄ゆきが特徴のウィリアム・モリス。動物柄を使うとちょっと可哀想なところで模様が切れてしまうこともあるので、クッションに向くのは総柄、もしくは植物柄です。
45×45(cm)でお仕立てするのが定番 ビロード素材、鮮やかな色をアクセントづかいにするのもオススメ
柄の一色をひろってインテリアに散りばめる
柄の中の一色を、椅子の張り地やラグやクッションなどで繰り返すことで、難しく考えることなくインテリアに馴染んでくれます。
人気柄のひとつ『ピンパネル』のマスタードイエローがキーカラーとなっている窓辺
大きな柄の一色をひろって小さな柄と合わせる
柄on柄で楽しめるのが「ウィリアム・モリス」のいいところ。大きな柄に用いられている一色を選び、その色の小さな 総柄 のものと重ねると空間に統一感が生まれ、無理なく馴染ませることができます。
パウダーブルーとスモーキーピンクで繋いだ柄on柄のベッドコーナー
いかがでしたか?お気に入りの「ウィリアム・モリス」のカーテンを開けることから朝が始まる毎日を想像できましたでしょうか?
「ウィリアム・モリス」は、サンクリドー世田谷店でも横浜店でもご覧いただけます。もし柄も色味も何から取り入れればいいのか迷われていたとしても大丈夫。どのようなインテリアを作りたいのか等ヒアリングしながら、頭の中に描かれているイメージをご自宅の空間で具現化する方法をご提案することも可能です。自社縫製工場ではモリスの美しいデザインがより映えるよう、生地の柄出しにもこだわって仕立てています。もちろん現場の採寸や施工もお任せください。