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インテリアエディターDと行く、高級輸入ファブリックの世界 vol.2
インテリアエディターDが、高級輸入ファブリックの取り入れ方を実際に見て・触れて・レポートする連載企画。今回は、ドイツの老舗ファブリックブランド「SAHCO(サコ)」のショールームに行ってきました。卓越した技術と世界観でテキスタイルに精通した人をも魅了し続ける同ブランドの新作及び人気のテキスタイル、アクセサリーをご紹介します。
2022.8.04

vol.2_卓越した技術と世界観で空間をグラマラスに彩る、ドイツの一流ブランド「SAHCO (サコ)」

フラットに仕上げたジャン・コクトーの絵画のような新作「MURALE(ムラレ) 」が印象的なコーナー
「サコ」のショールームに入るとまず目に飛び込んできたのは、吹き抜けに設置されたバーガンディ色の絵画のようなカーテンとインディゴ色のレースを背景に配置された真っ白なラウンジチェアのコーナー。昨年あたりから様々な家具ブランドのショールームでよく見かけるようになったブークレ(表面が輪になった変り糸“ループヤーン”等で織られた)生地特有のモコモコ具合が、しっとりとした質感のラグに置かれることで素材の個性が際立っていました。コンクリートとガラスで構成されたショールームに、表情豊かなファブリックの柔らかさが加わり空間に親密度が増していました。

動いて際立つ“織り”や“刺繍”や“カットワーク”のきらめき

風が吹くと大きく景色が変わるのもファブリックの魅力。濃い色のシアーカーテンが風の流れの動きを可視化して、絵画のようなカーテンの線画の白い部分は動くたびに浮き上がるように光り、左隣の白いカーテンはマーブル模様がうねるようにキラッとして、その手前のレースのストライプが優雅に波打つという…なんだかワクワクしてきませんか?
空間の中で揺れたりたたまれたり重なったりすることで、素材や仕上げの良さ・クラフト感が活きてくる!
写真左:「BRANCUSI (ブランクーシ)」写真右:「PUYA(プヤ)」

ストライプが波打ち、風の動きを可視化する新作「FANTOMEファントム」

「ファントム」は、しわの寄った表面のテクスチャーが魅力のセミシアー。非常に軽やかな質感で、微妙な凹凸をもったランダムなストライプを空間に描きます。
写真左:濃い色のものはよりドラマチックに 写真右:普通の白のレースにはないシャープさが魅力

フレスコ画のようにスケールと線画の間で遊ぶ「ムラレ」

遠目に見るとまるでプリントのようにくっきりと描かれたような線画は、生地がエンボスされているところにループヤーンで立体的に刺繍が施されていました。
たたまれると抽象的なアクセントになる線画
3mの広幅に対して、この細かな刺繍。この立体感が空間で生き生きと輝くから本当に不思議!

大理石を思わせるマーブル模様が風でうねり光る「ブランクーシ」

チンツ(加熱したローラーで圧力を掛けて、生地に光沢を出す)加工を施したマーブル模様の「ブランクーシ」は吊り下げられている時はやわらかな印象を空間に与えてくれます。ところが風に揺れるとマーブル模様が空間でうねり、まるで硬い大理石が風で揺らめいているかのようなダイナミックな風景を作り出します。
有機的で滑らかな作品で有名なフランス・ルーマニアの彫刻家コンスタンティン・ブランクーシへのオマージュ

窓辺に優雅な陰影を作り出す「PUYA(プヤ)」

ジャガードのエッジをカットしてフリンジにする高度な技術 “フィルクーペ”で複雑なパターンを描く「プヤ」。水面が不意に作りだす反射光や木漏れ日が揺らぐように、窓辺に華やかな陰影を作り出します。
ドレスがかかっているかのような美しい窓辺に

西洋が解釈した“東洋の世界観”を表現したジャガード織のドレープ2種「MIRARI(ミラリ)」と「CHINOISE(シノワーズ)」

刺繡のように見える豊かなジャカード織りの「ミラリ」は、着物の影響を受けたカラースキームで日本の松林をモチーフにして開発された新作です。
帯のようなリッチな織。長めに仕立てて床でたゆませる “フロアブレイク”が似合う新作「ミラリ」
ヨーロッパのブランドがデザインモチーフに度々取り上げるシノワズリ。そのままの生地名「シノワーズ」は、ゴージャスでエキゾチックな雰囲気を作り出してくれるテキスタイルとして人気があります。
サンクリドー納品事例:中国茶のお店に赤の「シノワーズ」とタッセルを組み合わせたコーナー

しなやかで風合いのあるウールのシアーカーテン「SAROS (サロス)」

「サロス」は、ウール100%でとてもしなやか。ウール素材で透ける濃色のカラーは珍しく、どのようなインテリアにもなじみ、アクセントを加えてくれるサンクリドー おススメのファブリックです。
サンクリドー納品事例 紫色の「サロス」が作る窓辺の優美な陰影

ランダムな糸のニュアンスが印象的な難燃生地「COCOON(コクーン)」

通常のレースよりも厚くて重みがあり、粗めに織られたざっくり感が特徴的な”ケースメント”。厚みがあるので視線を遮り風は通すので、一枚でもニュアンスのある窓辺を演出します.難燃ポリエステルということでホテルやタワーマンションなど、様々な空間で使うことができるのも魅力です。
デザイン性の高い糸が透ける生地で裏打ちされることで程よいランダムさを保っている「コクーン」

古典的なデザインとイノベーションを融合させた200年近い歴史をもつ老舗ブランド「サコ」

繊維貿易商として南ドイツで発祥したのが1831年。フランスと極東の両方から上質なカーペット、シルク、張り地を輸入することを専門とし、ヨーロッパの経済的および社会的混乱を乗り越えて国際的なブランドとして各国にショールームのある「サコ」。

現在は“カーテン生地”“張り地”“アクセサリー”のコレクションを展開しています。上品な室内装飾用テキスタイルやカーテン生地は、世界中の顧客の心をつかんできました。 豊かな質感や洗練されたディテールが世界各地の美しい邸宅を彩っています。
カーテンの魅力を最大化する美しい“アクセサリー”も豊富な「サコ」
人気の“アクセサリー”2種は、磁石で留められる仕様のため壁側に施工が不要
写真左:合皮を編んだもの 写真右:木製の輪に厚革
2018 年サコ はデンマークの「 Kvadrat(クヴァドラ)」 の傘下に入りました。クヴァドラの現代表もその世界観にずっと憧れていたという「サコ」。サンクリドー 代表の中島哲郎氏も「洗練されていて、世界観がすごい。とにかくかっこいい。」と惚れ込む「サコ」。 サンクリドー のショールームには、「サコ」の各種サンプルおよびアクセサリーが豊富に取り揃えてあります。是非ショールームで手にとってご覧になってみませんか?

Profile

土橋陽子
Yoko Dobashi

土橋陽子

株式会社イデーに5年間(’97~’02)所属。定番家具開発や、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。

2012年よりフリーランスデザイナー・インテリアライター。自身デザインのfunpunclock が、2017年グッドデザイン賞受賞。

使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするメディアサイトPrecious.jpにて「身長156cmのインテリア」連載中。

オーダーカーテンショップ サンクリドー

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